いどがや内科糖尿病内科クリニック

神奈川県横浜市南区井土ヶ谷下町213 第2江洋ビル3F

脂質代謝内科​

lipid

脂質異常症とは

脂質異常症は、LDL(悪玉)コレステロールや中性脂肪(トリセグライトなど)の値が慢性的に高い状態にあるか、HDL(善玉)コレステロールの値が慢性的に少ない状態を言います。自覚症状がないので、血液検査や健康診断で指摘されて初めて気づいた方もよく見受けられます。​

コレステロールは細胞膜・ホルモン・胆汁酸をつくる材料でもあるので、そもそも体に必要なものですが、これが多すぎると血中のコレステロールが過剰(LDLコレステロール)になって動脈硬化を招き、さらにそのまま放置すると狭心症や心筋梗塞、脳卒中を起こすこともあります。また、HDL(善玉)コレステロールは余分なコレステロールを回収する働きがあるのですが、これが少なすぎると回収されずにコレステロールがたまりやすくなることから、この場合も過剰になります。なお、脂質の量に異常が生じる最大の要因は、食べ過ぎによるエネルギーの過剰摂取です。​

脂質異常症の診断基準(空腹時採血)

(日本動脈硬化学会による脂質異常症の診断基準、2012年版より)

LDLコレステロール140mg/dL以上高LDLコレステロール血症​
120~139mg/dL境界域高LDLコレステロール血症​
HDLコレステロール40mg/ dL未満低HDLコレステロール血症
トリグリセライド150mg/dL以上高トリグリセライド血症

治療について

治療の目的は、血液中のLDLコレステロールを下げることで、食事療法と運動療法が中心になります。食事療法では、栄養バランスのとれた食生活(野菜・魚・豆を食べる)に努めます。運動療法では、無理のない軽度な有酸素運動(ウォーキングや水泳など)を1日30分以上、できる限り毎日行うようにします。

なお脂質異常症には3つのタイプ(高LDLコレステロール血症、低HDLコレステロール血症、高トリグリセライド血症)があり、それぞれ食事療法は異なります。​

高LDL(悪玉)コレステロール血症の患者さんは、動物性脂肪を含む食品とコレステロールを多く含む食品を減らし、植物性脂肪を含む食品を増やします。高トリグリセライド血症の患者さんは、糖質の多い食品やお酒を控えるほか、摂取エネルギー(カロリー)を適正にする必要があります。また低HDLコレステロール血症の患者さんは、トランス脂肪酸のとり過ぎに注意します。​

このような食事療法や運動療法でも改善効果がみられない場合は、薬物療法で脂質をコントロールします。薬の種類としては、小腸でコレステロールが吸収されるのを抑える効果がある薬や肝臓でコレステロールが作られるのを抑える薬などがあります。これらは動脈硬化が進行している場合などに用いられることが多いようです。​

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